< 十七 >
株式投資も経営も良く似たものだという。
暗黒資産等他の金融商品は知らないが。
だが、
多くの個人投資家は事業法人ではない。
広大な農地を持っている訳でない。
レンタルホームについている僅かばかりの小庭を持っている。
あるいは、ベランダ菜園かもしれない。
土も肥料も苗木も、ホームセンターで調達できて、ポイントが付く。
株式投資のゲインを農業の収穫に例える方が居るが、
イメージ的には、その通りだと思う。
家庭菜園であっても苗木が育っていくのは楽しい。
少しばかりでも実がなれば、収穫の喜びがある。
そして、それを頂くという実利もある。
自分で育てた実は、美味しいものだ。
いつもいつも、うまくいく訳でない。
勉強不足だと失敗する。
調子に乗ると失敗する。
失敗から学んでいる。
次はこうしようと。
この株の種はこれくらいだとか、この株にはこの肥料だとか、この株は時に剪定が要るだとか。
スキルが上がる。
株式相場のように、上げ下げを繰り返しながら、菜園経済は向上する。
唯、家庭菜園でやってはいけないことがある。
農業法人ではない。
身の丈を超えた巨木の収穫ミスだ。
大量の実を付けてくれる。億り人に近づく。
一度、収穫に成功するとやってしまいがちだ。
苗や種から大きく成長する分にはいい。
既に、相当分の収穫は出来ているだろうから、
鉢で間に合わなければ、庭土に移し、それより大きくなるなら、他に土地を借りて移してやればいい。
最悪は、猫の額を占める巨木の損切りだ。
この切り株は、人の手では除去出来ない。
撤去に重機が必要な切り株は、いつまでもそこに残り続ける。
大きな経済的な損失と、大きな心理的な損失を伴い、
耕作は放棄される。
私もこれで退場しました。
労働収入で元の体力に戻すまでに相当な時間がかかった。
投資で、長い時間を費やし、失った資産を戻すという顛末だ。
リスクが大きい商品ほどこうなる。
だが、事業法人でなくても、家庭菜園の強味はある。
これらは、一目で手が届く範囲にある。
小さな切り株なら、いくらでもやり直せる。
勝ちのセオリーは、極地戦で勝つのでなくて、大戦で勝つことだ。
こつこつ勝っても、大きく負けないことだ。
生憎、相場はその反対に出来ていて、よって、売り方が勢いづき、
放っておけば、大きな切り株になることが多い。
だからこそ、身の丈に合わない巨木でなくて、ジャックの豆を見つければいい。
小鉢から始められる。
雲まで届けば金の卵も産む。
学習して育てた成果なら、
ブラックスワンが降りてこないように茎を切断しても、
収穫した実は夢と消えないだろう。
バイなら
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