ONKYOカタログ Integra A-815 A-817 A-819 A-810 Integra T-415 T-416 T-417 T-419 T-410DG

オンキョー(株)配布物から引用 ー1980年ー

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ONKYOステレオプリメインアンプ/チューナ総合カタログ



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音創りの技術と伝統が拓く、新しい音の世界。

W SUPER SERVO

信号系、およびNFループにコンデンサを持たないDCアンプは、
可聴帯減をはるかにこえた超低減まで位相特性にすぐれ、また
過渡的な入力に対しても充分な応答特性を示します。このように
すばらしいDCアンプですが、実際に音楽を聴いてみると、DCア
ンプ特有ともいえる超低音域における独特の゛音″に気付かれる
筈です。いわば「ゴム質の音」とでもいうのでしょうか。超低域を
通さない従来のアンプでは考えもしなかった不要な超低域成分、
主にそれはアンプの内部で発生しますが…により、その再生音
自体が混変調をうけてしまい、この独特のDCアンプサウンドが
発生するのです。コンデンサや、トランスを用いDC分をカットして
いた、いわばACアンプでは、こういった素子による音質上の問題
はあったとしても、少くとも躍起になってのばした筈の超低域に足
元をすくわれる、ということはありません。ずばぬけた特性をもつD
Cアンプのメリットをそのままに、混変調の影響をうけない鮮やか
なサウンドを約束する、それがW・スーパーサーポの働らきのひ
とつなのです。
オンキョーが独白に開発した、このW・スーパーサーボのいまひ
とつの大切な働らきは、電源効率50倍、つまりあたかも50倍も大
きい容量をもつ電源を採用したのに匹敵する、音質面での効果
が得られる、ということです。アンプにとって電源部分がいかに重
要であるかはすでに周知の事実。パワー感、音のにごり、過
渡的な特性、それにS/N、そのすべてに電源の良し悪しは、大き
な発言力をもちます。パワートランスや、フイルターコンデンサ、安
定化回路、回路パターンや部品配置からアースラインの引きま
わし万、半田付の上手・下手にいたるまで、それらのもつ抵抗分
は決して無視できない存在となっています。このインピーダンスに
起囚して発生する起電力、つまりノイズ成分は、本来ピュアであ
るべき筈の音楽信号を汚してしまうのです。W・スーパーサーボ
方式は、特殊なサーボアンプの働らきで、等価的にこのインピ
ーグンスをゼロに近づけることにより、有害なノイズ成分をキャン
セルします。その抑圧能力は35dB以上、まさしく電源効果50倍
の威力を発揮します。

インテグラが生み出す至高の再生芸術。かずかずの技術が、今ここに……

音の純度で徹底的な差をつけるW・スーパーサーボ、デュアノレ・ダイレクトアンプ。

W・スーパーサーボ方式とは、アンプの出力端の十、-の両極
に、サーボアンプによるフィードバック回路を入れ、アンプで発
生する有害な超低域成分や、アースインピーダンス等による音
質上の悪影響を効果的にとり除く、画期的なシステムです。音質
上問題の多いコンデンサなどを信号系に一切用いることなく、巧
みに不要な雑音成分だけをキャンセルしてしまうため、驚異的な
高分解能の実現が可能となりました。
2組のサーボ回路は、不要成分の除去という意味では、同じ働
らきをしますが、実際の動作としては次のように分けられます。

側出力端にかけられたスーパーサーボの動作

出力端の十側に入っているサーボ回路は、主にDCアンプ内で
発生する超低域成分をキャンセルする働らきをもちます。アンプ
の内部では、各素子のもつ温度特性による音楽信号のエンベ
ロープに追随した温度変化や、電源電圧の変動等による、ごく
ゆるやかな周期の不要な電流が発生します。信号系回路内に
コンデンサをもたないDCアンプの場合、この不要成分はストレー
トに出力側に流れ込み、有害な混変調歪みを発生します。この、
せいぜい1~2Hz以下という、ごく低い有害成分をキャンセルす
るのが、この十側サーボの働らきです。図は1kHzの信号を入
れた場合、その周辺に発生している混変調歪成分を表わします
が、スーパーサーボにより見事に歪成分が消滅しているのが分
かります。
また、同時にDCアンプの最大のネックでもあった出力端へのD
Cリークについても、スーパーサーボは圧倒的な威力を発揮し
ます。このDCリークは、スピーカの振動板を偏移させたり、極端
な場合、ボイスコイルを暁損させたりする有害なものですが、ス
ーパーサーボ方式により全く無視できる値(DCアンプに比べ
-100dB以上)に抑圧することができます。

●ー側出力端にかけられたスーパーサーボの動作
ゼロ電位である筈の一側に、スーパーサーボをかけて一体何
をキャンセルするのか、という疑問が生じるかもしれません。しか
しアース側が常にゼロ電位、というのはあくまで理想的な回路構
成においてのみであり、実際のアンプでは電源コンデンサやリ
ード線類、アースポイントのとり方、接続方法その池、あらゆる部
分にあるごくわづかな抵抗分が累積され、トータルとして人出力

のアース間には、かなりのインピーダンスが生じます。当然のこと
ながら、このインピーダンスには起電力が発生します。人力と出
力のアース間を、太い銅線でショートすると発振を起こすアンプ
のあることからも、この事実はお分かりいただけるでしょう。このア
ース間ポテンシャルにより発生する起電力、つまり雑音成分を
等価的に、あたかもショートしてしまったような形でシヤット・オフす
るのが、この一側に入れられたサーボ回路の働らきです。スー
パーサーボの採用で、アースインピーダンスは、実に1/50以下
になったのと同等の効果がありますから、逆に考えれば50倍以上
の大型電源を装備したのに匹敵する、ともいえます。下の写真
は、入出力間のアース側に不要信号を印加した場合、スピーカ
出力にそれが表れる様子を、DCアンプと、W・スーパーサーボ
方式のアンプで比較したものです。(当社比)

このようにW・スーバーサーボ方式は、必要なごl’栗仁り一以外
のあら即る打害な成分を、信号のクオリティを何等損うことなく巧
みに除去するシステムです。その繁男的な高分解能、音の粒だ
ち、そして圧倒的な力強さ、パワー感はW・スーパーサーボ方
式ならではのものです。

リニア・スイッチング
全機種にパワートランジスタ)動作特性が、A級増幅に匹敵す
る歪率特性をもつリニア・スイッチング方式を採用しました。オン
キョー独自の、このリニア・スイッチング方式は、一般にアンブの
なかでは、普通最終出力段だけがB級増幅であることに着目し、
そのメリットを充分に生かしながらも、A級並の歪率特性を得よう、
という意図のもとに開発されたものです。トランジスタの寿命、熱
の問題、効率、それに経済性といった点では圧倒的に有利なB
級増幅も、スイッチング歪みや、クロスオーバー歪み、といった面
から考えると、まだまだ研究の余地が残されています。そのため
にいろいろな手法が構じられていますが、それぞれ一長一短が
あります。例えばAB級動作では、リニアリテイがZ型に折れ曲が
るため、特殊なリニアAB級にしたり、また最近話題となっている疑
似A級ともいえる、可変バイアス方式等が挙げられますが、実際
には、前者は経済性という点から、また後者はバイアスを変動さ
せることによる音質上の問題、という点から必ずしもベストとはいえ
ません。
リニア・スイッチング方式は、バイアスはあくまで固定しておかね
ばならない、という設計ポリシーのもとに開発された方式で、回路
構成としては2個のトランジスタを用いたAB級動作に近いもので
すが、特殊なバイアス回路により、2本の動作特性のつながる部
分で補正をおこない、最終的には非常にリニアな、1本の動作特
性が得られるようになっています。さらに充分に余裕をみたHIGH
fTパワートランジスタの使用ともあいまって、非常にすぐれた歪率
特性を示します。

デュアル・ダイレクトアンプ
複雑な音楽信号波形を、あくまで忠実に増幅しようとするとき、そ
の伝送系は徹底したシンプル化を要求されます。インテグラの
プリメインアンプは、MC対応ストレート・イコライザアンプと、W・
スーパーサーボ方式のパワーアンプだけの完全2アンプ構成.
特にMCカートリッジの優れたクオリティを100%生かすことを前
提に、敢えてMCヘットアンプや、昇圧トランスといったものを避け、
新開発のMCストレート・イコライザアンプを使用。MCを主役に
設計されたこのイコライザは、同時にMM使用時の音質も、飛
躍的に向上させました。またイコライザ、パワーの両アンプ共、裸
特性のリニアリティ向上を実現し、従来製品の約1/10という低
帰還方式とし、単なる数値競走だけの無意味な低歪率追究か
ら、聴感的なクオリティ追究と、安定動作を保証します。さらにトー
ンブースト時に備え、余分なゲインを常に抱かせておかねばなら
ぬ従来方式のトーン回路に代り、パッシブ素子のみで構成さ
れた、ボリュームと連動のラウドネス回路によるダイレクト・トーン
方式を採用し一段と音質の向上を図りました。

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