< 十五 >
「高配当」「高利回り」という文句に日本人は弱い。
毎週のように、並々ならぬ金額の詐欺被害ニュースだ。
そんな金額にも驚くが、多くの方が、私は騙されないと思っていたと言う。
何故だろうか。
価値が変動する商品には、ひょっとしたら価値が下がるのでなないかと警戒する。
ところが、配当、利回りに対しては、この警戒心が効かないようだ。
配当を貰えれば、最悪価格下落しても大損はしないだろうという、甘えがあるのかもしれない。
その根底には、リスクを取らず、お金に働いて貰い、楽したいというエゴがあるように思う。
実は、大きなリスクを取っているのだが、「高配当」「高利回り」ののれんで気付かないでいる。
株式も、また高配当株が人気だ。
高配当が貰えるから。
配当が貰えるのは、投資による価値を生み出した成果を頂く、株式投資の本質だろう。
ところが、
高配当株は、地雷原でもある。
大きな価値を生み出したケースで無いことが多い。
株価低迷で高配当株になった。
成長投資せず高配当株になった。
記念配当で高配当株になった。
それでも、配当率が5%ある。
20年持てば元が取れる。
安パイと思える高配当有名株の角一枚を捲ってみた。
おお~
値上がりも期待出来て、配当と値上がり益の両取りではないか。
視界が開けて、次の優良高配当株の角も見えた。
もう一枚捲る。
また、次の高配当株が見えた。
この調子だ。
しかし、ゲームではない。
右のマスか左のマスか判らない時、
自ら地雷を踏む必要はない。
投資詐欺が、始めの数か月配当を出して、投入金額を増やさせ、
たこ足配当で、いずれ配当が滞り、原資も返還されない。
怪しい高配当株を持てば、これと同じことが起こる。
減配、無配転落。株価下落。
耐えられん。
増配を続けていた高配当株が、新規事業でミスり、無配転落した株を握っていたことがあった。
両取りでなくて、数年で元も無くす大損切りだ。
私もこれで退場しました。
民間企業は、栄枯盛衰。
産業は移り変わり、何十年調子いい企業など無い。
日本を代表する企業も、倒産するのではないか、という歴史も沢山。
何十年後にも年金を貰えると当てにしないことだ。
株式投資の醍醐味は、将来の配当で無い筈だ。
リスクを取りたくない、配当が欲しければ、コメ国債の方がよっぽどいいと思う。
よく高配当株xx選と目にするが、
それは明日の話でない。
1つのマスのボンッ!で配当原野も吹っ飛ぶだろう。
バイなら
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