< 二 >
株式相場はとても広い。
金融相場は果てしなく広い。
宇宙が拡がるように欲望とともに広がり続ける。
ときに収縮するが。
大宇宙に幾つもの銀河が点在している。
株式相場という広野に、幾つもの山が点在している。
遠くで山脈を形成している山もあれば、
単独峰もある。
手前には小高い山もある。
それぞれの山を登ればいい。
プロの真似をする必要はない。
命を掛ける必要はない。
最高峰を目指さなくてもいい。
目指していいが、それには準備が必要だ。
そもそも、持っている物が違う。
未踏峰を目指す彼らは、上から下まで重装備。
遭難に備えた備品もある。
中身は、
筋力トレーニングに、低酸素、高所トレーニング済みだ。
オーバーハングを乗り越える技術も持っている。
メンタルトレーニングもしている。
一人ではない。
ベースキャンプにスタッフを待機させている。
地元ガイド、救難スタッフ、通信スタッフ、食事スタップ、気象スタッフ。
個人投資家は、スマホ1台だ。
比べ物にならない。
時には、肌を露出したまま、
天保山や代官山を歩くように、ハイヒールやサンダルで、山登りを試みる。
それでは高尾山もしんどいだろう。
しかし、登山靴や服装、携帯品などそれなりの準備をすれば、
高尾山であれば誰でも登れる。
その景色は素晴らしい。
富士山の5合目でもいい。
素晴らしい雲海を眼下に見れる。
バスで5合目に上るのもありだ。
乗車賃は要るが。
整備された手段を使えばいい。
自分にあった山を、自分のスキルで上ることだ。
それを生業とする、
損を出すのが許されないプロを真似て、
空売り、両建て、リスクヘッジする必要はない。
イベント前後に頻繁にポジションの出し入れする必要はない。
投資額に対するヘッジ額が積み上がるばかりどころか、
ヘッジを外すタイミングが遅れて、雪山を滑落するように、大きな損失を出す。
もとより資金が潤沢でない。
相場に張り付いても、
画面をタップする指先に神は宿っていない。
私はこれで退場しました。
さて、
日没までにいつかは下山しなければ、
私が山に登ったことを、誰も知らないことになるだろう。
遭難と同じことかもしれない。
バイなら
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