< 五 >
株1グランプリ。
いつも開催されている。
注目は、上位のみだ。
表彰台を狙う必要はない。
いや狙っていい。
入賞したら立派なものだ。
下位でもいい。
順位を一つ上げればいい。
そうすれば、
来年のレースに参加できるだろう。
結果が出ず、資金が尽きてしまっては、チーム解散となる。
グランプリで勝つには、
ドライバーとピットクルーと監督の、技量と勇気が必要だ。
プライベートチームなら、
ドライバー兼オーナーの個人投資家の、技量と勇気が必要だ。
マシンと路面の状況は、常にモニターしている。
ピット作業が極めて重要だ。
暫定順位、残りの燃料、タイヤの摩耗、路面の荒れを総合的に判断して、
ピットインにベストな周回を予想し、データをもって決断する。
テクニカル分析で、ゴールデンクロスが発生する。
その瞬間を逃さない。
ところが、どうだろう。
テクニカル指標は、全て完了形である。
相場が上昇した結果が、ゴールデンクロスなのだ。
既に上昇してしまっている。
トップチームは、現在完了をもって判断している。
アマは、過去完了のテクニカル指標を使ってしまう。
路面は通り雨で濡れ出した。
一斉にウェットタイヤに交換だ。
ところが、トップチームは、再度ドライタイヤに交換だ。
ピット前のストレートは濡れている。
しかし、トップチームは、バックヤードが乾き始めていることを知っているのだ。
それを知らないアマチームは、周回遅れでタイヤ交換する。
皮肉なもので、その途端にまた雨が降り出し、順位落とす。
ゴールデンクロスで入ったが、損失を出してしまう。
過去完了形だ。
それでも、
一つずつ、順位を上げていくが、
トントントンを順位を上げると、気分良くなり、
トラブルの種である警告灯が点灯しても、フルスロットだ。
まだいける!と。
そして、
決算発表でズドンだ。
大きなニュースでズドンだ。
結局はファンダメンタルだ。
トップチームは、警告灯が点灯すると、エンジン回転を抑える。
決算前にポジションを手仕舞う。
エンジンブローで、ピットインすれば、
一気に順位を失う。
一つ一つ積み重ねた順位がパーだ。
ドライバーは、何もできない。
シートに座ったまま、時が過ぎる。
いずれ、諦めが心を支配した時、シートから降り、ピット奥に消えてゆく。
私はこれで退場しました。
マシンで一番大事なのは、エンジンでもシャシーでもタイヤでもない。
コックピットの安全性だ。
レースで命を落としてもらいたくない。
既に、
アイルトンも宗一郎も山田康夫もいない。
ル、ル、ル、ルパン、アホか
バイなら
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