< 六 >
株は人気投票だ。
人気が株価となり、株価は人気で決まる。
人気がなければ株価は低迷する。
手札として人気のカードを持ちたい。
実力より人気だ。
票を集めるのは人気者。
人気者は持てはやされ、持ち上げられる。
取材の申込が絶えない。
週刊誌の記事になり、ますます人気になる。
皆がこぞって購入する。
が、人気のピークが近づいている。
実力以上の人気は、必ず廃れる。
そして、潮の引きは速い。
隣の芝は青く見える。
隣のリングはスポットライトに照らされている。
参戦だー
輝くカードを手に入れ満足だ。
ところが、既に多くのレスラーが参戦している。
リングにライトは当たっているものの、旨味がなくなると、実力者から離脱してゆく。
輝いていたカードは、色褪せていく。
後から参戦したものは、こんな筈じゃないとカードを持ち続ける。
そして、カードはあっという間にジョーカーに変貌する。
早く放したい。と思っているうちにますます含み損が大きくなっていく。
ジョーカーはほくそ笑んでこちらを見ている。
誰かがジョーカーを抜き取ってくれる訳ではない。
自らカードを相場に返せばいいのだが...
もう、主役の馬場はいない。
全日本の馬場ではない。
馬場の全日本だったのだ。
馬場が居るからみんなやってきた。
実力があればよいが、馬場もアンドレも去ったリングに残るのは危ない。
テーマ株やIPO株や、実力以上に突き上げた人気株は危ない。
こういった株は、風向きにも大きく影響される。
自然の風は渦を巻いて方向を変えてゆくが、
リングと経済は回天事業の如く、誰かの都合で突然180°変わる。
手の平返しもよくあることだ。
不利と見るや、ルールを変える連中を散々見てきた...
雑誌に取り上げられた時点で、大手資本は売り抜けている。
ピークアウトと考えていいのではないだろうか。
あっぽー
私はこれで退場しました。
20世紀の経営者や首長は、こと如く格闘技が好きであった。
いつもリング下最前列を陣取っていた。
近年、格闘技好きの経営者をあまり聞かない。
果たして、燃える闘魂も持った経営者がどれだけいるのだろうか。
猪木も逝った。
バイなら
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